福岡国際マラソンに参加して
植松 靖博
1.マイナスからのスタート
8月頃だっただろうか、福岡国際マラソンの制限時間が緩和されて2時間50分以内になることを掲示板で知った。ただ素直に喜べない。別大マラソンを目指していた私にとっては、とても複雑な気持ちだった。自分の努力で勝ち取ったものではなく、勝手に目標達成してしまったような・・・しかも別大ではなく、夢にも思わなかった福岡国際マラソン・・・それに、福岡を目指して血のにじむような努力をしてきたランナーに申し訳ないような・・・
今シーズンの私は5月のOB駅伝で腰を痛めてから故障続きで、腰が治ったと思った7月には左アキレス腱を痛め、8月の後半治ったと思い走りを再開したら、また9月にアキレス腱の痛みがぶり返してきた。走歴11年目を向かえ、これまで順調に伸びてきたけれど故障が続いたことで、これから走力が落ちて2時間50分も切れなくなってしまうかも・・・という思いから、今年福岡を走らなければ、2度と走れなくなるかもと弱気な発想から散々迷ったすえ福岡参加を決めた。ただ、その時点では、まだ故障中で、いつ治るのかもわからず、完全にマイナスからのスタートとなった。でもきっと立ち直ると信じて・・・
2.走り込み
今年も昨年に続き、城北クラブでオクトーバーランに参加した。スタート直後から、ぱたさんの友達の「ちんたら〜ず」からの宣戦布告を受け本来なら気合が入る所だが、私としてはちょっとまともに走ると、過去に痛めたところが次々と再発する感じで、10月中旬でも250キロ足らずと、自分としては「走りこみ」とはいえない走行距離しか稼げないありさま。でもチームとすれば9人なのに、10人チームのトップを上回る走行距離だった。そこで、サポランさんからの熱心な呼びかけ(あと一人参加)があり、ラストランナーさんが参加してくれた。(今年のTシャツの悪評を聞いていながらの参加、感謝してます。) 10月の後半から、ようやく毎日20キロの走りにも体が慣れてきた(昨年を思い出した)のか、故障がなくなって、なんとか合計643キロ走ることができたが、昨年より100キロほど少ないし、練習内容も昨年と比較できない寂しい内容にとどまった。ただ、チームとしては10人チームの部で優勝できて、毎日のネットでの励ましあいが楽しく、忙しくも充実した1ヶ月間を過ごすことができた。ちんたら〜ずのはつさんや、Y古宇さん等からかなり刺激をもらったが、ついていけない自分がもどかしかったが・・・
11月になっても走り込みを続け、前半は週150キロ超ペースで順調だったが、後半は右足甲が痛み、疲労骨折かも?と思い、11月18日をもって走りこみも中断するはめになってしまった。
結局、体重も昨年比3キロ増、走力は1キロにつき10秒程度昨年より遅い状況で、福岡国際を迎えることになってしまった。
3.驚き続きの福岡国際(とってもお得)
まず驚いたのは参加賞。ウインドブレーカー、アシックスの高品質のTシャツ、手袋、ネクタイピン、これで参加費が3000円だから、今年から4500円に跳ね上がったAマラソンとは大違い。(ちなみに、ゴールしたあと、大きなバスタオルも貰えた)
さらに驚いたのは、前日に「選手交流の夕べ」という夕食会があるのですが、私の予想ではパスタが気持ちだけ用意されてるイベントだろうと思い込み、15分程度遅れて到着したが、中に入ってビックリ、立派な立食パーティーだった。飲み物はビール、ワイン、ウィスキー、オレンジジュース、他、食べ物は寿司、ステーキ、カレーライス、パスタ、ケーキ、果物、サラダ各種、その他にも色々有ったけど、到着した時すでに食べ尽くされていたのであまり思い出せないが、とにかく凄かった。さらの上の料理が無くなると次々新しいものを出してきて、このパーティーに参加するだけでも5000円以上は最低必要じゃないの?と思ったほど。味も最高だった。おまけに選手だけではなく、コーチも参加可能となっているので、会長も来年コーチとして参加してみてはいかがでしょうか?
ただ一人でいるのは寂しいので、唯一走友と呼べる「赤羽月例」でよく話をするF本さんも参加することになっていたので探したけど見つからず、仕方なく30分くらい飲み食いして引き上げた。Y古宇さん、来年は是非一緒に行きましょう。ホテルに到着し、エレベータで4大マラソンに出ているというランナーに出会い話を聞いたが、ここまでするのは福岡国際だけのようだった。
あまり早く寝ると、早く眼が覚めてしまうので、9時くらいまでゆっくりテレビを見て、それから一人でホテルの向かえの飲み屋にいき、1000円ポッキリコース(生ビール、枝豆、マグロ刺身、から揚げ)プラス、ビールお変わりを飲み、さらにコンビニで発泡酒500ミリ+350ミリを買いホテルに戻り普段と変わらない時間に寝ました。(こらっ、飲みすぎだ!)
4.福岡の朝
やはりいつもと違うベッド、枕だったので眠りは浅いものの、何とか4時間程度眠れたようだった。いつもどおり4時半頃に散歩、又は、軽いジョッグに出るつもりだったが、12時10分スタートということで午前中暇なので、6時30分くらいまで待って大濠公園を目指し散歩に出かけたが、外は真っ暗。東京より日の出時間が30分程度遅いようだ。しかも、まだネオンがギラギラの感じで、本当に今6時30分なの?と思ってしまった。大濠公園までは約2キロ。イワン大佐さんに勧められたホテルだったが、本当にベストポジション。天神駅から5分、受付、及び、夕食会の会場の西鉄グランドホテルからも4分、スタート、フィニッシュ地点の、大濠公園、平和台陸上競技場までも徒歩20分強(2駅だが、十分歩ける距離)格安のツアーも紹介していただいてイワン大佐さん、本当に有難うございます。
大濠公園につく頃にようやく夜が明けてきた。大濠公園は100メートル毎に距離が表示されていて、平坦で走りやすいコースだった。(1周約2キロ)途中、横断する細い通りも走ったり、色々走り回って、フルマラソンの当日の朝としては大目の6キロ程走ってしまった。でも、初めての公園はやはり気持ちがよかった。帰り道、尾方らしきランナーを見かける、軽快にジョッグしていた。
朝食はまた悩むところだった。早めに軽く食べ、10時頃に再度おにぎりを1,2個食べるか?遅めに腹一杯食べるか?バイキング形式だったので結局、遅めに腹一杯を選び、8時30分頃ごはん3杯、おかず全種類(いくら何でも食べすぎだ)食べて、制限ギリギリの10時にチェックアウトし、再び大濠公園に向かった。
5.福岡国際マラソン
気温11度くらいとまずまずのコンディションだったが、予想どおりの強風。本調子までほど遠い私にとっては、2時間50分切るのは容易ではない状態だったので、この風はとても不安材料になった。憧れの福岡国際だから何としても最低完走はしたい。今日は絶対に25キロまでは集団の中にかくれて、強風をしのごう・・・
Bグループのスタートは大濠公園。ナンバーカード「368」は参加者の中では、上位30%ほどの位置だったが、今の調子は下位30%くらいだろう。ということで、「まわりに惑わされずマイペースで走る」ことを心掛けてスタートした。予想どおり後からドンドン抜いてくる。それでも1キロ通過は3分45秒。さすがはBグループとはいえ福岡国際マラソン、みんな凄いペースだ。自分のまわりのナンバーカードは殆ど、500番台、600番台となっていた。5キロの通過は19分11秒。予定より早いが、この流れの中ではこんなものだろうと、予定どおり集団の後方で順調な序盤だった。
10キロ手前までは向かい風、そこまでは最低でも集団の中で走ろうと決めて我慢我慢。10キロまでは19分39秒。向かい風の中としては早いペース。しかし、とにかく沿道の声援が凄い。今まで、長野マラソン、那覇マラソンとやはり沿道の声援が凄いところを走ったが、どこが一番とは甲乙つけがたいが、やはり伝統の重みを感じるような声援に思える。12キロくらいから追い風になると、集団が崩れだした。そこで中途半端に飛び出してしまい、それからは集団を引っ張るようになってしまう。集団を引っ張るというより、我慢しきれなくなり追い抜きモードになってしまい、それに対して余裕のあるランナーがついて来るといった雰囲気だ。そんなことで15キロ、20キロと19分21秒、19分19秒とペースが若干上がる。ただ、抜きっぱなしモードになって、しかもそれほどきつくないので、ランナーズハイを感じる。25キロまでは我慢と思っていたが、こうなった以上仕方ない。行ける所まで行こう。
中間点を1時間21分25秒で通過。単純に計算すると2時間43分を切るペース。ただ、その時点ではまだかなり余裕もあったので、もしかしたらそのくらいでいけるのでは?と思って走る。
前半飛ばしすぎたと思えるランナーを次々と抜いていって25キロまでは19分27秒。追い風は終わったが、まずまずのペース。28キロくらいで先頭争いの尾方、大崎、コリルとすれ違う、やはりスピードが全然違うなと思いつつ、それからあとはすれ違うランナー見物を楽しむ。30キロまでも19分27秒。疲れてきてはいるが、まだまだ大丈夫。すれ違うランナーも実業団選手から、市民ランナーに変わり、折り返しが近いことを知らされる。ただ、あとあとテレビ(ビデオで確認)でもいっていたが、福岡はそこからが勝負だった。
31キロ過ぎに折り返すと、待っていたのは向かい風だった。前半の10キロの向かい風は元気だったので、それほど感じなかったが、やはり後半の向かい風はつらかった。それでも35キロまでは相変らず追い抜きモードだった。向かい風の5キロも19分53秒とキロ4分は切っていた。ただ、その後、追い抜きモードが一転し、まわりと一緒に撃沈への道に・・・さらに追い抜かれモードに・・・本当に急にきてしまった。自分の頭の中の、ゴール予想タイムも、最初は45分切りかな?と思っていたが、45分台に、その後はY古宇さんの大田原の記録を意識したりもしたが、最後は47分台まで落ちていった。
結局2時間47分45秒でFINISH。何とか完走できた。やはり予定より早く飛び出してしまったことが終盤の撃沈につながったが、今の私の状態を思えば、まあまあ走れた感じだった。何と言っても、あの憧れの福岡国際マラソンを完走できたのだから大満足だった。ゴール後はタオルケット程の大きさのバスタオルをかけてもらい、一流選手のような気分も味わえた。バナナ2本食べ、紅茶をもらいトラックを横断する時に、もうすでにだれもトラックを走るランナーがいなかったことから、制限時間がかなり近かったことを知り、あらためて完走できてよかったと思った。
6.福岡空港での悪夢
15時前に走り終え、着替え。帰り支度をして16時前には平和台陸上競技場をあとにした。場所がわからなかったので、帰りの飛行機の時間は18時30分頃で予約していた為、時間がありすぎるが、疲れているので思い荷物を持って観光に行く元気は無いし、仕方ないが空港に向かう。地下鉄で空港に向かう電車の中で福岡を走ったランナー(名前は聞かず)と一緒になり、色々話をしながら空港へ向かう。ベストタイムが2時間32分台のランナーだった。「別大はいい大会ですよ」と励まされ、17時30分頃の便で帰るそのランナーとは別れる。あとで名簿を見たら、多分アトミクラブのランナーだと思う。
その後は時間潰しに空港の駅の外に出たが何もなく、どこか美味しそうな店を探し、とんこつラーメンでも食べたかったが、その元気も無く結局空港のレストランでとんこつラーメンを食べた。17時前だったが空港の搭乗手続きロビーに行ってビックリ。(何でこんなに人がいるの?)何の説明もないまま様子を見ていたが、どうやら東京行きの飛行機が全然到着していない模様で、空席待ちの長蛇の列だった。私も空席待ちの手続きをしたが、1800人以上の待ち人数。2時間ほどまっても。まだ900人くらい進んだだけ。しかも、呼び出されても飛行機に乗れるかどうかわからないという状況で、迷ったあげく諦めて翌日の便で帰ろうと、また別の長蛇の列に並ぶ。結局翌日の8時30分頃の便に変更した。(仕事はたまってしまうが、諦めるほかは無い)
結局、前日に泊まったホテルに電話して予約をとり、またも天神駅に降り立ちネオン街を歩く羽目に。
考えてみたら、天神駅ではなく、空港に近い「博多駅」の方がよかったかな?と後悔したが、もう疲れ果てていてどうでもよかった。
7.屋台にて
2日続けての一人でのお酒。普段は一人では飲み屋に入らない性質だが・・・色々、店を探して、昨日は入りたいなと思っていた店も、何故か今日はそんな気分ではなく、何か美味しそうな食べ物とビールを買って、ホテルに戻って食べようか?と思っていたところ屋台を発見。とりあえずここで「とんこつラーメンの食べなおしだ」と思ってビールとともに注文した。最初は中に大勢お客がいたが、すぐに帰ってしまい、屋台のご主人と飛行機が飛ばなくてもう一泊したことや、福岡国際走ったことなどの話しをしていたら、おでんも美味しそうと思い、そこからビール1本ではすまなくなった。そのうち、別のお客が入ってきた。ジャージ姿の若い男性で、私を見て話し掛けてきた。「もしかして今日福岡走った人ですか?」と聞かれ、そこから色々話が弾んだが、その人も福岡を走って、残念ながら30キロ地点でDNFだったらしい。ただ、その人は元実業団選手(NTT西日本)で大崎の先輩、高校時代はコニカの磯松の先輩だった人らしい。(大牟田高校、鹿屋体育大学)今は、1日10キロ程度のジョッグしかしていないようだが、5000も14分20秒ほどで走った人のようだった。そんなランナーと名前を名乗りあって私もいっぱしのランナーの端くれなのかと思ってしまった。しみじみと色々な話ができて、お互いに励ましあって思いがけない楽しい時間を屋台で過ごすことが出来た。その人が帰ったあと、今度は7人の集団が、ナント、その人たちもみんな、福岡走った人たちのようだった。その人たちとは挨拶程度で、あまり話をしなかったが、偶然というのは恐ろしいもの、この狭い屋台に福岡国際マラソンを走った人がこんなに集まるなんて・・・結局ビール3本飲んでいた。
8.最後に
本当に色々なことがあったけど、来年も是非参加して見たい。今度こそは万全の体調で福岡の素晴らしいコースを走り抜けてみたい。その時はY古宇さんも一緒に行きましょう!MIZUNOOさんもいかがですか?来年も今年のような参加賞、イベントなどが継続されるかは不明ですが、本当にいい大会でした。
また、色々応援して下さったり、励まして下さったり、皆さん有難うございました。今シーズンもまだまだこれからが本番、私も徐々に調子を上げていきたいと思います。40分切りもまだ諦めたわけではありません。また、励ましあい、刺激しあって目標に向けてお互いに頑張りましょう!